●思春期症候群について考える

KADOKAWA刊で、鴨志田一氏が出している「青春ブタ野郎」というライトノベルのシリーズがあります。主人公は高校2年生で物語がスタートし、大学生までシリーズは続きますが、その中で主人公に関わる登場人物が関わるのが

「思春期症候群」

です。これを簡単に説明すると「思春期特有の不安定な精神が巻き起こす超常現象」といったところなのですが、著者が物理大好きなんだろうなぁ……というのがよくわかりまして。

その現象が発生する原因の説明に「人間原理」「ラプラスの悪魔」「量子もつれ」「相対性理論」「多世界解釈」などなど、物理学的な理屈を持ち出してくるんですよ。思わず

「そう来たかぁ」

と思うこともしばしば。これは物書きとしては結構悔しい。

というわけで、「これも使えるのでは?」という物理現象を挙げてみることにしました。

「トンネル効果」
あらゆる物を通り抜けられるようになる。どんどん進んで行くと服が着られなくなる。下手をすると地面すらも通り抜けてしまう……いや、服が着られないとか単なるアダルト系の話にしかならんし、地面を通り抜けると死んでしまうのでまずいだろう。その辺は「パウリの排他律」で何とかするしかないか……

「ホログラフィック宇宙論」
もともとはブラックホールに吸い込まれた物質が持つ情報が消えてしまうのを防ぐために考えられた理論。これを応用するとなると……例えば触れると相手の記憶を消すことができるとかどうだろう? で、既に奪い取った他人の記憶を上書きできる能力とか。やべぇ能力だな、これ。

他に何かあるかなぁ……思いついたらまた追加で書くこととしよう。

●言葉はノイズか

小学館刊、藤丸著の「レジスタ!」を読んでいると、第7話に

「”印象”を表現しようとしたときに、言葉はノイズが多いのかもしれない」

というようなセリフがありまして。思わず「あー」ってなりました。理解できるんですよね、これ。

言葉には連想されるイメージがあります。しかもそのイメージは人によって違います。この話は「SFコミュニケーション論」にも書きましたが、例えば「雪」という言葉というか単語を聴いて連想するものを挙げてもらうと、人によって全く違うのです。近畿地方出身者だと「白」「冷たい」などと答える人は少なく、「かまくら」「雪だるま」「札幌」などを挙げる人が多いのです。中には「アナと雪の女王」とか「雪ノ下雪乃」とかもありましたが……ちなみに富山出身の人に訊いたら「重たい」と答えました。

知っている言葉にはその人が生まれ育った環境に応じたイメージが貼り付いています。それを別のイメージで塗り替えることは大変難しい。知らない言葉であれば、それがどの様な物か想像がつかないので、イメージがない、つまり「色がない」わけです。色のないものはいかようにでも塗ることができます。先ほどの雪の例で言えば、雪というものを見たことも聞いたこともない人に言葉で説明するのは、こちらの意図通りのイメージや色を付けやすいと言えます。
だから例えば「空から南国の海のような青色の雪が降ってくる」という言葉でイメージを伝えれば、「雪というものは青い色をしている」と理解するでしょう。

ですが我々は雪を知っています。「南国の海のような青色の雪」などと言われれば「何故そんな色をしているのか」と思うでしょうし、その理由を考えるでしょう。「かき氷用のブルーハワイシロップをかけたのか?」「イルミネーションの色を反映して青色になっているのだろう」とか。
ただ単に雪の降る情景を見た人が「空から青い雪が降っていた」という自分の感じた”印象”を伝えたかっただけだったとしても、それを受け取る側はそこに「ブルーハワイ」だの「イルミネーション」だのと、何らかの要素を勝手に付け加えてしまうからです。これは確かに「ノイズ」になります。

ではノイズを一切入れない言葉はあるのか? 知らない単語ばかりを羅列するしかないのかもしれません。KOKIA語みたいなもんです。「レジスタ!」の中では「チョコクラ語」がそれに相当します。まぁ日本人に向けてであれば、ほとんどの人が知らないであろう言語から単語を持って来て並べるのが良いのかも知れません。

逆に言えば、それぞれの人が持っている”印象”に働きかけることができる言葉を並べると、聞く人によってまったく異なる意味を持つ文章を作れるのかもしれません。もしそんな文章ができたら大変面白いでしょうね。そういう物語を書けるのか?という話でもありますが。
もしかしたら「京都の人の言葉」あたりがそれに相当するのかもしれませんけどね。

STAR SPHERE「宇宙撮影体験」

STAR SPHERE「宇宙撮影体験」の第2回体験イベントに当選し、実際に人工衛星EYEを利用しての撮影を行いました。今回はその結果を報告します。

まずは申し込みからのタイムスケジュールを紹介しましょう。ちなみに第1回にも応募はしていましたが、こちらは外れていました。

4月15~22日 申込期間
4月26日 当選メール受信
4月30日 参加表明(実は26日の当選メールを見落としていました)
5月9日 「初めての宇宙撮影」基礎講座に参加
5月10日 スペースフォトグラファー養成講座に参加
5月22日 EYEコネクトで撮影リクエスト送信
5月31日 EYEによる撮影
6月4日 サムネイル画像到着メール受信。
6月5日 EYEコネクトより5枚の内の1枚を選択し、リクエスト。フルサイズ画像入手。
6月21日 オンラインインタビュー

まず申し込みですが、こちらは特に問題なく登録できる内容ですので、スマートフォンからでもエントリーは可能です。私はパソコンから行いましたが。

その後、当選したら参加表明が必要です。これを忘れると、折角当選した権利がなくなってしまいます。
そして参加表明の際に2つの講座に参加することを求められました。実際は『「初めての宇宙撮影」基礎講座』のみでも良いわけですが、カメラを普段使いしている身としては『スペースフォトグラファー養成講座』にも参加しようということで、EYEコネクトの利用方法をいろいろと探らせていただきました。

では実際の撮影に関してご紹介しましょう。
「このエリアを撮影しよう」
という場所が決まったらEYEコネクトを使ってリクエストします。そのやり方は講座で教えていただけますので、ここでは割愛します。
さて、5月16日から申し込みが可能だったのですが、ちょうどこのタイミングで仕事が忙しかったのと、何を撮るかのアイデアをまとめ切れていませんでしたので、翌週に持ち越すこととなりました。

で、5月22日に撮影リクエストを送ったわけですが、正直、結構悩みました。何しろ1枚というか1シーンしかリクエストできないわけです。しかも衛星の姿勢が安定しないためにシミュレーションで見たような構図になるかどうかもわからないという説明でしたので。

当初、講座を受ける前は下記の2つを考えていました。

1)オリオン座を撮影してみる(できれば下に地球の縁が写り込むと最高)
2)地球表面の凹凸などないに等しいことがわかる写真を撮影してみる

1の方は姿勢が安定しない以上、ちょっと難しかろうと諦めました。そこで2を行うために、3つの候補地点を選出しました。

a)ヒマラヤ山脈
b)アンデス山脈
c)ヨーロッパ・アルプス

これらの地点を選択して、良さげな衛星Pathはないかを探します。まずはaですが、直上を通るpathはダメなので除外。だって、真上から見て高さなんかわかるわけないですから。
そこで300~400kmほど離れたpathを探しますが、日程内ではイマイチ。
800kmほど離れた所を通るものを見つけましたが、これだと地平線が写るようなアングルになります。本来はありがたいのですが、さすがに姿勢制御を考えると微妙…ということでb、cで良いのがなければ復活させるということに。

次にb。よく考えたらここはアタカマ砂漠がありますので、アルマ望遠鏡やTAOのあたりを撮影すれば良いのでは、と考えました。そしてPathを探すと良さそうなのを発見。じゃあ、これをリクエストするか! とEYEコネクトでリクエストすると
「ここは予約できません」
という、すでに誰かがリクエストをしてしまっている事が判明。残念ながら諦めました。

ではc。モンブランが映るPathを探してみます。それなりにありそうだけど、面白いかなぁ…? などと考えていると、見つけてしまいました。それが次の画像エリア。

右がイタリア半島。上にコルシカ島、左下はシチリア島、そして左上はアフリカ大陸のチュニジアです。おお、これはポエニ戦争の戦域ですな。実はこっそり「小説家になろう」で連載しているライトノベルにて、某ミッションの舞台にしたエリアでもあります。

というわけで、いざとなったらそっちでも使えるんじゃなかろうか? とか思い、ここをリクエストしました。姿勢が若干ずれても、まぁ良いかなーと。

で撮影されて上がってきたのが次の写真です。ちなみにリクエストしたポイントの前後2ヶ所で撮影が行われますので、合計5枚ある内の1枚です。

縮小したらSONYさんの©が小さくなりましたので、これは拡大して貼り直しています。ちなみにうちのロゴ透かしも入れています。

最初見た時、
「これはどこが写ってるんだ?」
とプチパニックに。3枚目以降、つまり当初想定していたど真ん中の時刻以降のものはアフリカ大陸とおぼしきものしか写っていません。というわけで1枚目をリクエストしたのですが、それでもたぶんアフリカ大陸。あとは右端に何か写ってるけど、どこだこれ? というわけで、Google Mapで位置同定をしました。結果、判明したのがこのエリア。

このエリアを右斜め上から撮影すると、EYEが撮影した場所と一致します。なるほど、ホントに姿勢がずれまくってるな。思ってたのとだいぶ違う。もう少し北側が写ると良かったのですが、仕方がありませんね。どうやら、カメラが進行方向へ向くような姿勢に傾いていたようです。
でもおかげで薄い大気層が写っていて、当初想定していた
「地球表面の凹凸などないに等しいことがわかる写真を撮影してみる」
に近いものが撮影出来ていました。ただこのエリアには高い山がないので、それがなぁ…いっそアトラス山脈とかカナリア諸島を撮影するPathを探せば良かったか。そうしたらジブラルタル海峡でヘラクレスの柱の辺りが写せたかもしれない。後の祭りなんですけどね。

というわけで、どんな感じで写るのかがわからないというドキドキ感はありますが、写真屋としては想定した構図と異なるのは使い方を考えさせられるなぁと思いました。

まだ1機目なので、今後もっと数をこなせば良いサービスになるのではないかと思います。

ちなみに個人的には天体写真が撮れる衛星が欲しいんですけどねぇ…確かKickstarterあたりでPersonal Telescope Satelliteのプロジェクトが上がっていましたが、あのあとどうなったんだろう? 実は宇宙望遠鏡のパラメーターは面倒なので、本体が完成したとしても、撮影設定を行うシステムの方はEYEコネクトレベルにまで洗練させるのは難しいだろうなぁ…

教育ログデータの考え方 その2

昨日に引き続き、時間データの取得について考える。

時間について取得すべきなのは、「アクセスの時間」であるのは間違いない。だが、これをもう少し細かく見る必要がある。

例えば学習するための動画を表示するページにアクセスされた場合、アクセスされた時刻、そのページに滞在した時間という2つの時間に関係するデータを取得できる。

これが確認テストなどを行う出題画面だとさらに情報は増える。アクセスされた時刻は先ほどと変わらない。だが、テストの場合、解答するのにかかった時間、そしてその後、解説を読んだ時間の2つの時間を取ることができるようになる。問題を何秒で解いているのかを見れば、真面目に考えたのかどうかを判断できるようになる。また解説を読んだ時間も取っていれば、真面目に取り組んでいるかどうかの判断をよりやりやすくなる。真面目に取り組むのであれば、間違えた問題は解説を丁寧に読むはずだからだ。

これらの時間については、たまたま席を外していたために長時間学習しているように見えているだけではないかという疑問も生じる。だが、全ての問題で席を外すことはないため、その個人の解いた全問題を平均すると、学習傾向を知ることができる。

同じ理由で、問題毎の解答時間も全学習者の平均を取れば、解答時間と正答率との比較も可能となる。これらの情報をしっかりと取ることで、様々な解析が可能となるのだ。

教育ログデータの考え方 その1

今日から何回かに分けて、eラーニングで学習したときに取っておくべき学習ログデータと、その使い方を解説していこうと思う。まずは何故データが必要かについて説明する。

学習データを取るのは、学生・生徒・児童の成績を伸ばすことが目的である。現在の達成度を測定し、一定の学習を行った後に達成度がどの様に変化したのかを測定する。その差分をもって、次のどの様な指導を行えば良いのかを考えるのだ。

一般的には学力テストを行うことで達成度評価を行うわけだが、ペーパーテストで行うと様々な情報が抜け落ちるため、誤った情報を受け取ることになる。例えば次のような例を考えよう。これはとある2人の成績である。

氏名宿題1回目宿題2回目宿題3回目宿題4回目学力テスト
Aさん6070506060
Bさん6070606040

AさんとBさんの宿題の成績を見る限り、1回目、2回目、4回目は同じ成績を取っている。3回目だけAさんはBさんより成績が悪い。もしここまでの成績を見たならば、Aさんは3回目の単元が苦手だと判断するかも知れない。もしかしたらたまたま集中力を欠いていたのかも知れないし、じっくりと取り組む時間が無かったのかも知れない。つまり、成績からだけだと何もわからない。

一方、学力テストを見ると、AさんよりもBさんの方が成績が悪い。もしかしたらテスト当日の体調が悪かったのかも知れない。ヤマが外れたのかも知れない。これもテストの成績だけからは何もわからない。これはペーパーテストの限界なのだ。

だがもしeラーニングでしっかりと解答時間を取っていたらどうだろう。宿題3回目でAさんが悪い成績だったのが、時間が足りなかったのか、時間が十分あったにもかかわらず成績が悪かったのかの判別ができる様になる。

逆に、もしかしたらBさんはAさんの1.5倍もの時間を宿題にかけていたらどうだろう。Aさんの1.5倍の時間をかけることで、Bさんはなんとか同じ成績を取っていた可能性がある。だから制限時間がある学力テストではAさんよりも成績が悪いのかも知れない。

つまり、デジタル化によって様々な情報を取れば取るほど、AさんとBさんの成績がなぜこの点数なのかを詳細に把握できるようになるのだ。成績の要素を割り出すことができれば、おのずと必要な指導方針が決まる。だから学習ログデータは事細かに取らないといけないのである。

プロ野球の話

サンデースポーツで「プロ野球の未来を考える」ってのをやっていて、いろんな人がいろんな事を言っていたので、個人的に思うことを書いてみます。

まず、ルールがダメ。オリンピックの話にも絡むけど、球技の場合コートの大きさとかボールの大きさ・重さ、そしてルールが世界基準で統一されています。
対して野球の場合、まず、球場によってグラウンドの大きさがバラバラ。だからホームランの数に統一性がない。ボールの大きさ・重さも基準は一応あるものの、国際試合になると
「日本の球と違うので…」
という解説を必ず聞きます。おかしくないか?
しかもストライクゾーンも違う。ずいぶん合わせてきたけど、国によって違うのは問題でしょう。

つまり、ルールに地方差があるため、統一されていない。これじゃオリンピック競技には相応しくない。

続いて国内の話。プロ野球は企業の都合に振り回されすぎ。コミッショナーが権限を持っていないので、改革が進まない。
しかもプロとアマの交流がほぼない状態。本来なら世代別を管理するのも、一つの団体の中で、担当部局が対応するべきなのに、そうなってない。アマチュア連盟、高校野球連盟、NBPがバラバラの組織。これじゃあね…サッカーのような年代別下部組織から一貫した組織になっていないしね。

さらに指導者の問題。サッカーの場合はコーチや監督になるにはライセンスが必要。野球にはこういうのがない。バレーボールやバスケットボールにも指導者ライセンスがあるのよ。

こういったことを一つ一つ、地道に改善しない限り、未来は無いと思うなぁ。

番組ではTwitterからの投稿で「延長戦問題」について「タイブレーク制」も出てはいたけど、それはどうでも良い話。延長戦はあっても良い。もしそこを改革するなら、9回裏で決着がつかなければ引き分けにするべきだと思うな。タイブレークは中途半端。特にプロ野球は9回引き分けとし、サッカーみたいに勝ち点制を導入すれば良い。そうすると引き分けの多いチームが不利になるので、勝ち数と勝率との齟齬がなくなるよね。

ただし高校野球みたいに決着をつけなきゃならない場合は、何か考える必要があります。サッカーのPKみたいなのが出来ると一番良いんだけど。

 

「翠星のガルガンティア」

今週月曜日に最終回を迎えた深夜枠で放送されたアニメ「「翠星のガルガンティア」ですが、Twitterでもほめる言葉が結構多く見られます。ちなみに私もこの作品は良かったと思っていますし、他の人が書いている

「こどもに見て欲しいアニメ」

というのも理解できます。

話の内容はと言うと、遙かな未来、宇宙で管理された社会の下、謎の宇宙生物と戦うことで社会の構成員としての自己を見いだしていた主人公が、事故で未知の惑星に飛ばされてしまいます。実はそこは地球で、主人公は元の世界に戻れないまま、全く異なる文化と接しながら生きていくすべを見いだしていくという話です。

それまで兵士としての教育しか受けてこなかった主人公が、社会の中で生活するということに戸惑うこと。
働いてお金を得る、そしてそれを使うことで社会の中で生きていく。
体に障害があっても、自分に出来ることをやっていける。

などなど、確かに道徳の授業でやってもおかしくない話が次々と出て来ます。

また後半では

「人間とは何か?」

をとう内容が続きます。謎の宇宙生物だと思っていたのは、実は氷河期を乗り切るため、自分の体を遺伝子操作した人類の末裔だったとか、いう話も出て来ます。ただ、この際、

「人間とは、環境の中で生きていくのに、知恵を出し、工夫をする事の出来る存在である。体を改造した人々はそれを放棄してしまい、知恵を出したり工夫をすることが出来なくなった。これはもはや人間ではない」

という言い方をしたり、

「他人に盲目的に従属し、自らの思考を放棄した者は人間とは呼べない」

と言ってみたり、かなり重いテーマも突きつけられます。なかなか「人間」を定義することは難しいのですが、ちょっと簡単すぎるきらいはあるにせよ、こういう話題に真正面から取り組む姿勢は大いに評価できます。

13話で終わってしまい、ちょっと短かった感じもしますが、お薦めできる作品と言って良いでしょう。

 

今月の歩数:64,717歩
今日の体重:67.9kg

今年のノーベル物理学賞について考えてみた

メールマガジンを出すためにいろいろと考えてみました。

今回の話は「宇宙の膨張速度は加速している」というのを発見したからという理由での受賞だったわけですが、これを考えて行く上で、わかりにくい点があるので、整理してみました。

まずは「ハッブルの法則」を理解する必要があります。

「ハッブルの法則」は1929年にアメリカのエドウィン・ハッブルが発見した法則です。ハッブルは1920年代にセファイド変光星を使ってアンドロメダ銀河を始め、数多くの銀河までの距離「r」を求めてきました。

一方、元素の出す輝線が長波長側にずれているという赤方偏移から、銀河が我々から遠ざかる速度「v」を知ることが出来ます。ハッブルはそこから

v=H×r

という法則を発見したのです。ここでHは「ハッブル定数」と呼ばれ、観測から決めます。つまり、vもrもわかっている銀河でHの値を決めるわけです。その結果、Hの値は70程度であるとされています。

ただし、vはスペクトルの観測さえ出来れば比較的簡単に求めることが出来るのですが、rは近い銀河でしかわかっていません。具体的に言うと、セファイド変光星で測ることが出来るのは「おとめ座銀河団」くらいまでで、距離で言うと6500万光年程度です。それよりも遠い銀河は距離rを知ることは出来ませんでした。

ですので、遠い銀河に関してはvを観測から求め、Hの値は近くの銀河で決めた値を使って

r=v/H

から求めています。

 

さて、ところが近年、超新星Ia型を使うと、セファイドと同じくらいの精度で、もっと遠い銀河までの距離を求められることがわかってきました。実は観測結果は、「ハッブルの法則」から求めた距離で考えていた明るさより、実際の明るさの方が暗かったのです。つまり、本来の距離は、ハッブルの法則から求めた距離よりも大きい、それだけ遠くにあると言うことがわかったわけです。

すると、これまでわかっていたvと、今回新しくわかったrからすると、Hはこれまで考えられていた70よりも小さくなければいけないこととなります。

ということは…

6500万光年離れた「おとめ座銀河団」から求めた6500万年前の膨張速度は、もっと遠くにある、もっと昔の膨張速度と比較すると、速くなっていることになります。「加速している」という事になったわけです。

うーん…でもなぁ…

こんな感じのグラフが載っていたり(KEKより)、

http://supernova.lbl.gov/PDFs/HubbleDiagramPhysicsToday.pdf

のようなグラフが出ていたりするんですが、これって一般人に説明するには難しいグラフですよねー。むしろ、横軸に時間(何年前か)を取り、縦軸にハッブル定数(ある一定距離での膨張速度)を取ったグラフの方がわかりやすいと思うんですよね。どっかから元のデータを手に入れて、そのうち作ってみよう。