「実践インストラクショナルデザイン」

今日の我が家本紹介はこれです。

「実践インストラクショナルデザイン」 内田実著、清水康敬監修、東京電機大学出版会刊

昨日に続いてインストラクショナルデザインの本です。
昨日は開発の手順を示しましたが!それだけでは良くわからない人のために事例をベースにして紹介している本です。

個人的には昨日の本の方が好きで、これは補足的に使っているだけなのですが、このジャンルが初見の人なら役に立つかもしれないと思って紹介しておきます。

「eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン」

インストラクショナルデザインの手順をしっかりと解説してくれている書籍です。教材というか、コースの開発手順を順を追って解説してくれていますので、大変便利な本です。

今日の我が家本紹介はこれです。

「eラーニング専門家のためのインストラクショナルデザイン」 玉木欣也監修、東京電機大学出版会刊

インストラクショナルデザインの手順をしっかりと解説してくれている書籍です。教材というか、コースの開発手順を順を追って解説してくれていますので、大変便利な本です。

というかeラーニングに限らず、教育の関係者はインストラクショナルデザインを身につけておくべきだよなぁ…

「10年後の教室」

今日の我が家本紹介はこれです。

「10年後の教室」 山内祐平編、日経BP社刊

これ、2012年の連載を2013年にまとめた本だということなので、ちょうど10年経ったところです。

ではここで取り上げられたMOOC、eポートフォリオ、教授法の共有、ソーシャル・ラーニングがどれだけ身の回りにやってきたかと言うと…

MOOCはそれなりに広まったけどちょっと足踏み状態。
eポートフォリオはまだまだこれから。そもそも学習記録がデジタル化されていない。
教授法の共有は一定の範囲では進みましたが、意識の高い先生だけ。
ソーシャル・ラーニングなんかは全くです。この言葉自体が死んでしまったんじゃないかと思うくらい。

コロナで一気にデジタル化が進んだはずなのにこの体たらく。こりゃダメだとしか言いようがありませんなぁ…

「人工知能に哲学を教えたら」

今日の我が家本紹介はこれです。

「人工知能に哲学を教えたら」 岡本裕一朗著、ソフトバンク・クリエイティブ刊

まさにタイトル通りの本です。もっと正確に言えば人工知能は人間同様、哲学的問題に対応させることができるのか?という話です。一番最初に「トロッコ問題」を持ってきているあたりもイメージしやすい事例から入っているという点で評価できます。

っていうかですね、哲学的な領域では人間だってキチンと答えを出せていない問題は多々あるわけで、
「哲学を理解しない人工知能は人間のように考えることはできない」
などという主張をしようものなら、盛大なブーメランになって人間にも戻って来てしまいます。

自然言語処理を人工知能にやらせるような研究をやっている身からすると、人工知能を使い物になるよう学習させる方法と、人間を学習させる(教育する)方法にあまり差はありません。
ディープラーニングは確率で判断するような学習をさせるわけですが、それは人間だって脳内で無意識のうちに確率を考えて判断してるからなぁ…

哲学の中の倫理学領域で言えば
「倫理的ではない行動」
と判断する内容は人によって異なるし、それは生まれてからの学習の結果なので、そのような判断を下すようにチョイスしたデータで学習させた人工知能と変わらんのだよなぁ。

「本質を見抜く「考え方」」

今日の我が家本紹介はこれです。

「本質を見抜く「考え方」」 中西輝政著、サンマーク出版刊

いわゆる「ビジネス本」とは違った観点で書かれているところが好感の持てる本です。政治や経済、歴史のネタを説明の例として出していますので、わかりやすくなっている印象がありますが、もしかしたら一定レベル以上の教養は求められるかも知れません。なくても読めるとは思いますが…

言わんとしているところはよく分かります。ただし
「納得できない、または同意できない」
という内容もあることは確かで…

例えば「考え方37」はちょっと違うと思います。それは遺伝子の問題ではなく、文化環境の問題でしょう。そんな遺伝子はない。

ですが、そういう一部の注意すべき内容を除けば、ほとんどの内容は同意できるものですので、読んでみることをお薦めします。

「ふだん使いの言語学」

今日の我が家本紹介はこれです。

「ふだん使いの言語学」 川添愛著、新潮社刊

まずはふだん使っている言葉が、そのままだと如何にあいまいで間違えを誘発しやすいかという話が出ています。特に対面や電話などでの会話であれば、相手の表情や声の調子などのノンバーバルコミュニケーション的な要素によって、相手の意図を補完して理解することができます。

しかしこれがバーバルコミュニケーションのみ、しかもテキストのみとなると誤解を生じる要素が数多くあり、言葉を慎重に使わないといけないことがよく分かります。
例文として挙げられているものに
「あなたのせいで負けたんじゃない」
がありました。これは
「あなたのせいで負けたわけではない」
という否定の意味と
「あなたのせいで負けたんでしょ」
という事実確認の意味とがあります。しかしこれは音声で聞けばまだどちらの意味なのかはわかりやすいですが、テキストのみだとどちらの意味にも取れてしまいます。いらぬ誤解を招きそうです。

この本ではこのような事例を始め、さまざまな日本語を利用する際の様子を紹介してくれていますので、言葉の使い方を意識するのに良い教科書になるでしょう。

「ヒトの言葉 機械の言葉」

読了です。

「ヒトの言葉 機械の言葉」
  川添愛著
 KADOKAWA刊

前半は人工知能における機械学習の例を紹介しています。正直、人工知能関係の本を読んだことのある人であれば
「どこかで読んだことのある話だなぁ」
で済む内容です。

後半は一転して人間の言葉。言語とはどういう物なのか、言葉と脳内のイメージの関係など、人が使う言葉がどの様にして伝わり、解釈されるのかを解説しています。

いや、実は大学の講義や中小企業向けの研修でこういう話をやろうと思っていましたので、ちょうど良いテキストを発見した感じです。
テキストとして使うのであれば一通り読んだだけではダメなので、もう少し細かく読み込んでから、いろんなところに紹介しようと思います。

今月の累計歩数:42,376歩
今日の体重:74.4kg

「自由になるための技術 リベラルアーツ」

今日の我が家本紹介はこれです。

「自由になるための技術 リベラルアーツ」 山口周著、講談社刊

桜美林大学にリベラルアーツ学群というのがありますが、まさにあの
「リベラルアーツ」
です。
っていうか、最近理数系教育のキーワードとして出てくるSTEMですが、Artsを加えたSTEAMになると、「それってリベラルアーツじゃん!」って思います。

要は
「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」
とされたもので、大元の定義としては自由七科である
文法学
修辞学
論理学
算術
幾何
天文学
音楽
を指します。現代的な意味ではSTEAMとほぼ同じと言って良いでしょう。

ヨーロッパではこれらをもって「教養」と呼んでいたわけで、STEAMは現代人が身につけるべき教養と位置付けて良いでしょう。

とはいいながら、この本はあくまでもリベラルアーツの本です。でも
「教養とは何か」
を意識しながら読むと、これからの世界で必要とされる能力がなんなのかを知るきっかけになるのではないかと思います。