STAR SPHERE「宇宙撮影体験」

STAR SPHERE「宇宙撮影体験」の第2回体験イベントに当選し、実際に人工衛星EYEを利用しての撮影を行いました。今回はその結果を報告します。

まずは申し込みからのタイムスケジュールを紹介しましょう。ちなみに第1回にも応募はしていましたが、こちらは外れていました。

4月15~22日 申込期間
4月26日 当選メール受信
4月30日 参加表明(実は26日の当選メールを見落としていました)
5月9日 「初めての宇宙撮影」基礎講座に参加
5月10日 スペースフォトグラファー養成講座に参加
5月22日 EYEコネクトで撮影リクエスト送信
5月31日 EYEによる撮影
6月4日 サムネイル画像到着メール受信。
6月5日 EYEコネクトより5枚の内の1枚を選択し、リクエスト。フルサイズ画像入手。
6月21日 オンラインインタビュー

まず申し込みですが、こちらは特に問題なく登録できる内容ですので、スマートフォンからでもエントリーは可能です。私はパソコンから行いましたが。

その後、当選したら参加表明が必要です。これを忘れると、折角当選した権利がなくなってしまいます。
そして参加表明の際に2つの講座に参加することを求められました。実際は『「初めての宇宙撮影」基礎講座』のみでも良いわけですが、カメラを普段使いしている身としては『スペースフォトグラファー養成講座』にも参加しようということで、EYEコネクトの利用方法をいろいろと探らせていただきました。

では実際の撮影に関してご紹介しましょう。
「このエリアを撮影しよう」
という場所が決まったらEYEコネクトを使ってリクエストします。そのやり方は講座で教えていただけますので、ここでは割愛します。
さて、5月16日から申し込みが可能だったのですが、ちょうどこのタイミングで仕事が忙しかったのと、何を撮るかのアイデアをまとめ切れていませんでしたので、翌週に持ち越すこととなりました。

で、5月22日に撮影リクエストを送ったわけですが、正直、結構悩みました。何しろ1枚というか1シーンしかリクエストできないわけです。しかも衛星の姿勢が安定しないためにシミュレーションで見たような構図になるかどうかもわからないという説明でしたので。

当初、講座を受ける前は下記の2つを考えていました。

1)オリオン座を撮影してみる(できれば下に地球の縁が写り込むと最高)
2)地球表面の凹凸などないに等しいことがわかる写真を撮影してみる

1の方は姿勢が安定しない以上、ちょっと難しかろうと諦めました。そこで2を行うために、3つの候補地点を選出しました。

a)ヒマラヤ山脈
b)アンデス山脈
c)ヨーロッパ・アルプス

これらの地点を選択して、良さげな衛星Pathはないかを探します。まずはaですが、直上を通るpathはダメなので除外。だって、真上から見て高さなんかわかるわけないですから。
そこで300~400kmほど離れたpathを探しますが、日程内ではイマイチ。
800kmほど離れた所を通るものを見つけましたが、これだと地平線が写るようなアングルになります。本来はありがたいのですが、さすがに姿勢制御を考えると微妙…ということでb、cで良いのがなければ復活させるということに。

次にb。よく考えたらここはアタカマ砂漠がありますので、アルマ望遠鏡やTAOのあたりを撮影すれば良いのでは、と考えました。そしてPathを探すと良さそうなのを発見。じゃあ、これをリクエストするか! とEYEコネクトでリクエストすると
「ここは予約できません」
という、すでに誰かがリクエストをしてしまっている事が判明。残念ながら諦めました。

ではc。モンブランが映るPathを探してみます。それなりにありそうだけど、面白いかなぁ…? などと考えていると、見つけてしまいました。それが次の画像エリア。

右がイタリア半島。上にコルシカ島、左下はシチリア島、そして左上はアフリカ大陸のチュニジアです。おお、これはポエニ戦争の戦域ですな。実はこっそり「小説家になろう」で連載しているライトノベルにて、某ミッションの舞台にしたエリアでもあります。

というわけで、いざとなったらそっちでも使えるんじゃなかろうか? とか思い、ここをリクエストしました。姿勢が若干ずれても、まぁ良いかなーと。

で撮影されて上がってきたのが次の写真です。ちなみにリクエストしたポイントの前後2ヶ所で撮影が行われますので、合計5枚ある内の1枚です。

縮小したらSONYさんの©が小さくなりましたので、これは拡大して貼り直しています。ちなみにうちのロゴ透かしも入れています。

最初見た時、
「これはどこが写ってるんだ?」
とプチパニックに。3枚目以降、つまり当初想定していたど真ん中の時刻以降のものはアフリカ大陸とおぼしきものしか写っていません。というわけで1枚目をリクエストしたのですが、それでもたぶんアフリカ大陸。あとは右端に何か写ってるけど、どこだこれ? というわけで、Google Mapで位置同定をしました。結果、判明したのがこのエリア。

このエリアを右斜め上から撮影すると、EYEが撮影した場所と一致します。なるほど、ホントに姿勢がずれまくってるな。思ってたのとだいぶ違う。もう少し北側が写ると良かったのですが、仕方がありませんね。どうやら、カメラが進行方向へ向くような姿勢に傾いていたようです。
でもおかげで薄い大気層が写っていて、当初想定していた
「地球表面の凹凸などないに等しいことがわかる写真を撮影してみる」
に近いものが撮影出来ていました。ただこのエリアには高い山がないので、それがなぁ…いっそアトラス山脈とかカナリア諸島を撮影するPathを探せば良かったか。そうしたらジブラルタル海峡でヘラクレスの柱の辺りが写せたかもしれない。後の祭りなんですけどね。

というわけで、どんな感じで写るのかがわからないというドキドキ感はありますが、写真屋としては想定した構図と異なるのは使い方を考えさせられるなぁと思いました。

まだ1機目なので、今後もっと数をこなせば良いサービスになるのではないかと思います。

ちなみに個人的には天体写真が撮れる衛星が欲しいんですけどねぇ…確かKickstarterあたりでPersonal Telescope Satelliteのプロジェクトが上がっていましたが、あのあとどうなったんだろう? 実は宇宙望遠鏡のパラメーターは面倒なので、本体が完成したとしても、撮影設定を行うシステムの方はEYEコネクトレベルにまで洗練させるのは難しいだろうなぁ…