「首都防衛」

久しぶりに我が家の本紹介です。そろそろ新しい本が溜まってきましたので、週1冊orシリーズくらいで紹介していきましょう。

「首都防衛」
 宮地美陽子著
 講談社刊

「防衛」と言っても軍事面の話ではなく、地震と噴火などの自然災害から首都や日本をどう守るのか?という観点での話です。特に首都直下地震、南海トラフ巨大地震、そして富士山噴火の3連動災害が発生するとどうなるのか、という観点で書かれています。

実際に江戸時代にはこの3連動が発生し、それが江戸幕府の滅亡に繋がっていったのではないかという話なども書かれています。ですから、もし今の時代にこの大災害が発生してしまうとどうなるのか、そしてそこから日本を守るにはどの様な対策をしておく必要があるのか、について様々な提言がされています。

今年は元旦に能登半島地震が発生するなど、災害に対する意識が高まっているところですから、是非、興味のある人には読んで欲しい書籍です。

「統計でウソをつく法」

今日の我が家本紹介はこれです。

「統計でウソをつく法」 ダレル・ハフ著、高木秀玄訳、講談社刊

そのまま表に出すとアレだけど、平均を上手く使うことで都合の良い数値を作ることができますよー。それにはこうすれば良いですよーなど、ちょっとした技なんかも紹介されています。

まぁあれだ。平均の場合は計算に使われた範囲を訊くとか、せいきぶんぷに乗ってるのかとか、いろいろと訊かんとダメだということですわ。

ウソをつく法ということは、だまされないようにはどうみれば良いのかということでもありますので、統計に疎い方は是非お読みください。

「KYO」

今日の我が家本紹介はこれです。

「KYO」 たかしげ宙作、皆川亮二画、小学館刊

「SPRIGGAN」と同じコンビでの作品ですが、こちらは超自然現象だの超古代文明だのとはまったく無関係で、がっつりと科学系の内容です。
いろんな事件が起こるのですが、そのトリックにはすべて結構マニアックな技術が使われています。

火薬を使わない爆殺には、水素吸蔵合金の粉末を湯沸かしポットに入れるというトリックが使われていました。建物の倒壊には固有振動を使うという手段が取られていました。まぁ、マニアックですねぇ。

手品も最先端の技術を駆使していますし、事件や事故もこういう技術を使うと、いろいろな事ができるんだよということを示した作品として、大変面白い物でした。

「研究棟の真夜中ごはん」

今日の我が家本紹介はこれです。

「研究棟の真夜中ごはん」 神岡鳥乃作、夏河もか画、ホビージャパン刊

料理は化学です。それを地でやった作品です。なぜハンバーグにはパン粉を入れるのか。肉じゃがにみりんを加えるとジャガイモが型崩れしなくなるのは何故?

こういった疑問を化学の知識でガッツリ解説していきます。登場人物は研究室こそ違うものの、大学院の博士課程の学生で深夜まで研究を続けている学生と、夜にならないと実験装置が空かない学生の2名。たまたま知り合って夜食を一緒に食べるようになり、それを大学内で自炊するというネタです。いや、作ってるのは片方だけで、もう片方は食べ専ですけどね。

いやー、ハンバーグはメイラード反応くらいでいくのかなぁと思いきや、タマネギに含まれるプロテアーゼがーとか、塩を加えるとミオシンがーとか、ガチです。

肉じゃが回でも「エタノールがペクチンの分解を防ぐ」だのみりんを入れるとpH5~6の弱酸性になるのでペクチンが分解されにくくなるなど、ホンキで化学実験のノリです。

現在2巻まで出ております。

「人工知能に哲学を教えたら」

今日の我が家本紹介はこれです。

「人工知能に哲学を教えたら」 岡本裕一朗著、ソフトバンク・クリエイティブ刊

まさにタイトル通りの本です。もっと正確に言えば人工知能は人間同様、哲学的問題に対応させることができるのか?という話です。一番最初に「トロッコ問題」を持ってきているあたりもイメージしやすい事例から入っているという点で評価できます。

っていうかですね、哲学的な領域では人間だってキチンと答えを出せていない問題は多々あるわけで、
「哲学を理解しない人工知能は人間のように考えることはできない」
などという主張をしようものなら、盛大なブーメランになって人間にも戻って来てしまいます。

自然言語処理を人工知能にやらせるような研究をやっている身からすると、人工知能を使い物になるよう学習させる方法と、人間を学習させる(教育する)方法にあまり差はありません。
ディープラーニングは確率で判断するような学習をさせるわけですが、それは人間だって脳内で無意識のうちに確率を考えて判断してるからなぁ…

哲学の中の倫理学領域で言えば
「倫理的ではない行動」
と判断する内容は人によって異なるし、それは生まれてからの学習の結果なので、そのような判断を下すようにチョイスしたデータで学習させた人工知能と変わらんのだよなぁ。

「FOOTPRINTS」

今日の我が家本紹介はこれです。

「FOOTPRINTS」 デイビッド・ファリアー著、東洋経済新報社刊

人新世と呼ばれるようになった今の時代。未来から見たらどんな物が残るのかについて書かれています。第1章は道路。続いて都市、プラスチック、氷床コアへの影響、珊瑚礁の破壊、核廃棄物、生物多様性の消滅、微生物の攪乱と続きます。

正直、プラスチックが化石として残るには数百万年以上、少なくとも地層に示準化石として残るには10万年以上の時間が欲しいわけですが、都市や道路はそんなに長いこと残るでしょうか。さすがにキビシイ。

一方、大量絶滅や珊瑚礁の破壊、核廃棄物なんかはかなり長いこと「あしあと」として残ります。氷床コアを採集した際に大気中の二酸化炭素濃度が高かったというのも分かるでしょうね。

1000万年くらい経って、その時に何らかの知的生命体が地球にいたとしたら、その生命体は大量絶滅の原因を二酸化炭素濃度の上昇に求めるかも知れませんが、その裏にあった事情を理解できるかどうかですね。まぁ、人類の化石も発見されるでしょうから、その辺りから推測するのかも知れませんが…

「ヒトの言葉 機械の言葉」

今日の我が家本紹介はこれです。

「ヒトの言葉 機械の言葉」 川添愛著、KADOKAWA刊

前半は人工知能における機械学習の例を紹介しています。正直、人工知能関係の本を読んだことのある人であれば
「どこかで読んだことのある話だなぁ」
で済む内容です。

後半は一転して人間の言葉。言語とはどういう物なのか、言葉と脳内のイメージの関係など、人が使う言葉がどの様にして伝わり、解釈されるのかを解説しています。

いや、実は大学の講義や中小企業向けの研修でこういう話をやろうと思っていましたので、ちょうど良いテキストを発見した感じです。もう少し細かく読み込んでから、いろんなところに紹介しようと思います。

「都市緑化新世紀」

今日の我が家本紹介はこれです。

「都市緑化新世紀」 江刺洋司著、平凡社刊

仕事の一環で購入した本です。ただし2000年に出た本ですので、現状に合うものと合わないものが混在している感じにはなっていますが、概ね取り入れても問題ない内容になっています。

基本的には街路樹をどのように上手く活用するのか、そして公園をどの様に整備するのか、が中心になっています。透水性の高い道路にしないとダメだとか、緑の回廊を上手く構成するような配置が必要だという提言がされています。

残念ながら屋上緑化や壁面緑化については
「そういうのもあるかもしれない」
という程度にしか触れられておらず、その辺は20年以上前の本なので仕方が無い気がします。