「一般相対論的宇宙論」

今日の我が家本紹介はこれです。

「一般相対論的宇宙論」 成相秀一、冨田憲二著、裳華房刊

重力レンズの研究を始めるときに、真っ先に参考にした書籍です。一般相対性理論から、弱い重力場近似をしたときに、どの程度光線が曲がるのかを計算する式を導出していたのです。ここからスタートしよう、と。

そして銀河の重力場で近似した際の式も載っていたのですが、どうしても計算結果が掲載されているものにならず…当時、京都大学基礎物理学研究所にいらっしゃった冨田先生に手紙を書いて、
「式が間違ってませんか?」
と指摘したところ、
「間違ってますね」
というお返事をいただけました。それも懐かしい思い出です。そうかぁ、あれからもう30年か…歳食ったなぁ…

「日本の天文学の百年」

今日の我が家本紹介はこれです。

「日本の天文学の百年」 日本天文学会百年史編纂委員会編、恒星社厚生閣刊

こういうのが重要なんですよ。なにしろ、天文学や科学の最先端は新しい情報でどんどん塗り替えられていきますので、過去に辿った(誤った or 棄却された)道が残らなくなってしまうのです。これ、後々、新しいアイデアを考えたときに
「それって昔、○○の理由で却下されたんだよね」
というのを上の人から教えてもらうまで知ることができなくなるんですよ。

「科学史に残る大論争」
みたいなやつはちゃんと残るんですけど、そうじゃないものは丁寧に論文を追いかけない限り、さっぱりわからないという。それこそ昔々、NHKの「パノラマ太陽系」という番組で紹介された
「金星には石油の海があるという説が…」
というのも
「誰だ、そんなことを言ってたヤツは?!」
状態でした。10年ほど前に譲っていただいた本がきっかけで言い出しっぺが分かりましたが、それまでは結構謎だったんですよね。

なので、こういう本を作るときはできるだけ丁寧に作って欲しいなと思うわけです。まぁ…これはこれでそれなりに。

軌道エレベーター関係のSF4冊

今日の我が家本紹介はこれです。

「楽園の泉」 アーサー・C・クラーク著、山高昭訳、早川書房刊
「ふわふわの泉」 野尻抱介著、エンターブレイン刊(最新版は早川書房刊)
「まっすぐ天へ」 的場健著、金子隆一監修、講談社刊
「東京軌道エレベーターガール」 吉田正紀、中林ずん著、小学館刊

軌道エレベーター関連の小説及びコミックスを4冊紹介です。
「楽園の泉」はスリランカに軌道エレベーターを建設しようとする話。
「ふわふわの泉」は「楽園の泉」へのオマージュとして、とある物質を使って宇宙まで行けるようにしてしまおうという話。どちらもハードSFとして読み応えがありますので、テイストは全く違いますが、是非どうぞ。

3冊目は1巻のみで終わってしまいましたが、
「宇宙に行くならロケットだろ」
と考えていた主人公が、スペースシャトルの事故を受けて、軌道エレベーターの建設を模索し始めるという話です。模索し始めた所で話が終わってしまいましたので、できれば続きを読んでみたいものです。

4冊目は、ハードSFではない内容です。んー、軌道エレベーターにアテンダントがいて、その人物を主人公として話が進みます。ただ、立ち位置としては主人公なのに脇役感が拭えません。毎回、中心になって話を動かす人物がいるので、それを傍から見ている感じですね。




「STAR CHILDREN」

今日の我が家本紹介はこれです。

「STAR CHILDREN」 きだまさし著、講談社刊

宇宙飛行士を目指して訓練する学生達の物語です。ただ、あんまり人気が出なかったようで、2巻で終了です。
もう少しシリアスに振ったら「プラネテス」や「MOONLIGHT MILE」みたいになったでしょうけど、そこまでではなかったかなぁ…

ちなみにこれも軌道エレベーターがちょっとだけ出てくるんですよね。なんだかんだいって人気だなぁ、軌道エレベーター。明日はがっつり紹介するかぁ。

「パスポート・ブルー」

今日の我が家本紹介はこれです。

「パスポート・ブルー」 石渡治著、小学館刊

宇宙開発もののコミックと言えば「宇宙兄弟」が有名ですが、いやいや、こっちの方が圧倒的に先でしょう。なにしろ連載開始は20世紀ですからねぇ。

H-2Aロケット打ち上げを見て、少年が宇宙を目指す物語。2003年のコロンビア号事故の前なので、基本的にはスペースシャトルで宇宙へ行くことを目指します。またHOPE-Xなんてのも出て来ます。しかもJAXAじゃなくてNASDAってあたりが時代を感じさせますねぇ。

まだ読んでいない方は、是非こちらもどうぞ。

「MOONLIGHT MILE」

今日の我が家本紹介はこれです。

「MOONLIGHT MILE」 太田垣康男著、小学館刊

軌道エレベーターを紹介しましたので、SF系の本を。大国同士が宇宙開発を争う内容です。最新刊では月面都市の建設まで至っていますが、各国の協力の下に進めている部分と、アメリカなどは独自の基地をこっそり持っていたりと、国のエゴが宇宙開発に持ち込まれる姿が描かれています。

そして、これを書いていて思いだしたのが「蒼き流星 SPTレイズナー」というアニメ作品。そういやあれもアメリカとソ連が争い、火星にまで双方が軍事基地を作るという状態で話がスタートしてましたね。

話を「MOONLIGHT MILE」に戻すと、宇宙でのブルーワーカーががっつりと描かれています。現在のように一部の科学者や技術者が中心の開発ではなく、土木現場の人たちが宇宙に送り込まれ、基地建設に従事する姿なども描かれています。たしかにこういう状態にならないと、宇宙に定着することはできないんでしょうね。

軌道エレベーター(宇宙エレベーター)関連本5冊

もう面倒くさいからまとめて紹介。

「スペース・ツアー」 金子隆一著、講談社刊
「軌道エレベーター」 石原藤夫・金子隆一著、裳華房刊
「宇宙エレベーターの物理」 佐藤実著、オーム社刊
「宇宙エレベーターの本」 宇宙エレベータ協会編、アスペクト刊
「宇宙旅行はエレベーターで」 ブラッドリー・C・エドワーズ, フィリップ・レーガン他著、オーム社刊

私が軌道エレベーターのことを知ったのは、1979年。小学校5年生の時です。当時テレビで放送されていた
「宇宙空母ブルーノア」
に出て来たのが、たぶん世界で初めて映像化された軌道エレベーターでしょう。その後、
「超時空世紀オーガス」
にも登場。以降、様々な作品に登場しています。
また、軌道エレベーターを補完する役目を持つ「オービタル・リング」も、
「宇宙の騎士テッカマンブレード」
にて、1992年に映像化。軌道エレベーターの存在はSFアニメ周辺では、ごく当たり前のモノになっていきました。

一方、現実の方はというと建設に必要な素材の開発が難しく、現在でもあまり進んでいません。それでもエレベーターの箱に相当するクローラーの開発が進み始めた頃から、
「宇宙エレベーター」
と呼ばれるようになり、ちょっとずつ一般にも浸透を始めます。

というわけで、最初の2冊はまだ「軌道エレベーター」と呼ばれていた時代に出た本。一方、後の3冊は「宇宙エレベーター」の名称が使われるようになった後のもの。

でもなぁ、個人的には「軌道エレベーター」の方が好きだなぁ。

「冥王星を殺したのは私です」

今日の我が家本紹介はこれです。

「冥王星を殺したのは私です」 マイク・ブラウン著、梶山あゆみ訳、飛鳥新社刊

準惑星エリスの発見者が著者です。エリスという冥王星よりも大きいであろう天体が発見されたことによって、それまでかろうじて惑星の座に留まっていた冥王星は、準惑星へとカテゴリ変更されることとなったわけです。あれから15年かぁ…

が、準惑星の定義は結構面倒くさい。これ、ネタで書いたことがあるんですが、ああいう定義をしてしまうと、今度は
「衛星とは何か」
の定義が面倒になるので、正直嬉しくない。要は土星の環は微小な天体の集合体であることが分かっているわけですが、どのサイズまで衛星なのか。そのうち準衛星とか、わけのわからんカテゴリを作らないといかんのではないかと邪推してしまうわけですよ。

ぶっちゃけ、宇宙戦艦ヤマトのイスカンダルとガミラスはどうするのか。二重惑星というコトになっているけど、どれくらいの大きさの比率であれば二重惑星で、それくらいの大きさだと衛星なのか。共通重心がどちらの天体の内部にも存在しない場合は二重惑星とかなのかなぁ…そうすると、冥王星の衛星カロンは、衛星ではなくなってしまう。冥王星とカロンは二重準惑星。

あー、ああいう定義は大変面倒くさい。そりゃ反対する人も多かったわけだよ。