今日の我が家本紹介はこれです。
「ふだん使いの言語学」 川添愛著、新潮社刊
まずはふだん使っている言葉が、そのままだと如何にあいまいで間違えを誘発しやすいかという話が出ています。特に対面や電話などでの会話であれば、相手の表情や声の調子などのノンバーバルコミュニケーション的な要素によって、相手の意図を補完して理解することができます。
しかしこれがバーバルコミュニケーションのみ、しかもテキストのみとなると誤解を生じる要素が数多くあり、言葉を慎重に使わないといけないことがよく分かります。
例文として挙げられているものに
「あなたのせいで負けたんじゃない」
がありました。これは
「あなたのせいで負けたわけではない」
という否定の意味と
「あなたのせいで負けたんでしょ」
という事実確認の意味とがあります。しかしこれは音声で聞けばまだどちらの意味なのかはわかりやすいですが、テキストのみだとどちらの意味にも取れてしまいます。いらぬ誤解を招きそうです。
この本ではこのような事例を始め、さまざまな日本語を利用する際の様子を紹介してくれていますので、言葉の使い方を意識するのに良い教科書になるでしょう。
「自由になるための技術 リベラルアーツ」
今日の我が家本紹介はこれです。
「自由になるための技術 リベラルアーツ」 山口周著、講談社刊
桜美林大学にリベラルアーツ学群というのがありますが、まさにあの
「リベラルアーツ」
です。
っていうか、最近理数系教育のキーワードとして出てくるSTEMですが、Artsを加えたSTEAMになると、「それってリベラルアーツじゃん!」って思います。
要は
「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」
とされたもので、大元の定義としては自由七科である
文法学
修辞学
論理学
算術
幾何
天文学
音楽
を指します。現代的な意味ではSTEAMとほぼ同じと言って良いでしょう。
ヨーロッパではこれらをもって「教養」と呼んでいたわけで、STEAMは現代人が身につけるべき教養と位置付けて良いでしょう。
とはいいながら、この本はあくまでもリベラルアーツの本です。でも
「教養とは何か」
を意識しながら読むと、これからの世界で必要とされる能力がなんなのかを知るきっかけになるのではないかと思います。
「迷路の外には何がある?」
今日の我が家本紹介はこれです。
「迷路の外には何がある?」 スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社刊
昨日の続きです。変わることにできなかった小人はその後どうなったのか?という話でスタートします。彼はチーズ以外にも食べられるモノ(リンゴ)があることを知り、さらには新しい相方と一緒に
「そもそもチーズやリンゴはどこからやって来ていたのだろう?」
と考えるところから、常識を疑うことの重要さを学びます。
つまり、前作では
「変化を受け入れ、対応する」
ということを重要視していましたが、今作では
「これまでの常識を疑う」
ということが如何に難しくそして重要なのかということに焦点を当てているのです。
そうだなぁ、うちの会社も
「今のスタイルを疑う」
ことから始めないとダメか。っていうか、それをやるなら自分で会社作ってやることにするわいな。
「チーズはどこへ消えた?」
今日の我が家本紹介はこれです。
「チーズはどこへ消えた?」 スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社刊
「変化を見逃さず、即座に対応しよう」
という話です。さっさと変化に対応する2匹のネズミ、そしてなかなか対応出来ない2人の小人。それでも片方は
「やっぱり変わらないとダメなんだ」
と居心地の良い場所を出て行きます。一方、残りの1人はそこにしがみ続けます。
日本人はしがみ続ける人が多い印象があります。なかなか変化に対応しない。まだ何とかなると思っている。
うん、やはり変化に対応しないとダメだ。いつまでも同じ所にいてはダメだ。さっさと新しいところに移動することとしよう。
「貧乏国ニッポン」
今日の我が家本紹介はこれです。
「貧乏国ニッポン」 加谷珪一著、幻冬舎刊
「失われた30年」になってしまいましたが、特にこの10年ほどはひどかった。前にも書きましたが、平均賃金で韓国にまで抜かれてしまいました。またビッグマック指数でも2010年にはアメリカ、オーストラリア、イギリスとほぼ同じだったにもかかわらず、2021年では日本の390円に対し、アメリカ621円、オーストラリア527円、イギリス522円ですからものすごく物価が安いことが分かります。
「安いことは良いことだ」
と思うかも知れませんが、日本の給料ではアメリカでビッグマックを買おうとするととんでもない金額になるということを意味しています。ちなみに韓国は440円、シンガポール474円なので、海外旅行をすると日本より遙かに高い金額を出さないと食事が取れないことを意味します。
もしビッグマックを同じ値段での提供にしようと思った場合、1ドルは69円でなければいけません。だからドルベースで計算される物の価格は、1ドルが114円くらいである現時点ではものすごく割高になっています。円安誘導された結果、この10年で日本人は一気に貧しくなったわけです。
これがiPhoneが10万円以上し、自動車が200万円オーバーになっている理由でしょう。もし今の為替レートであるならば、日本人の平均年収は440万円ではなく730万円くらいでなければいけないことになります。給料を上げずに来たツケが今の状況だということですね。
「遅いインターネット」
今日の我が家本紹介はこれです。
「遅いインターネット」 宇野常寛著、幻冬舎刊
「いま必要なのは、もっと遅いインターネットだ」
という合言葉で書かれた本です。まぁ、ダラダラといろんなことが書かれているのですが、ざっくり説明すると
「インターネットの速度が上がることで、情報をどんどん取り入れられるようになり、人は考えなくなった。だからもっといろんなことを考えるためにはインターネットの速度を落とす、またはもっとゆっくりじっくりと考えるためにインターネットを使うくらいの使い方にしなさい」
ということが書かれています。
考えないから、フェイクニュースにだまされる、社会も分断される、与えられた情報に踊らされポピュリズム的になる。もっと情報を吟味し、どうあるべきなのか、どうするべきなのか、どうしたいのかなどについてしっかりと考えようぜ、ということです。っていうか、最初に結論としてそういう話を書いて欲しかった。
「そんなことをしたらじっくり読んで、考えないではないか」
と著者からは怒られそうだが、論というのは先に結論を言ってからそれを証明していく方が安定感がある。もっというと、結論にキッチリと結びついているのかを対照しながら読んでいけます。逆に結論をいつまでも言わずにダラダラと説明を続けるパターンは、どこが幹でどこが枝葉末節なのかがわかりません。読み取るのに非常に苦労し、その上結論を受け入れられるかどうかはわかりません。
「プレゼンは結論から書け」
は鉄則だということを理解して欲しいなぁ。良いこと書いてるんだから。
「ライフロング・キンダーガーデン」
今日の我が家本紹介はこれです。
「ライフロング・キンダーガーデン」 ミッチェル・レズニック著、村井裕実子訳、日経BP社刊
今日、STEAMの研修というかセミナーというかがありまして、そこで軽く触れられていたのが
「Lifelong Kindergarden(生涯幼稚園)」
です。これ、創造的思考力を育むための教育に関連するものです。著者はMITの人間ですので、想像力の育成や発想力の育成にScratchの話が多用されるのは仕方が無いことです。
で、この教育は大きく4つのキーワードからなっています。
プロジェクト(Project)
情熱(Passion)
仲間(Peers)
遊び(Play)
これら4つのPを通じて、プロジェクトベースで、楽しいことを仲間と共有し、遊びながら学ぶことで創造的思考力を身につけようというものです。
ただし個人的には一つ問題があると思っています。それは
「カリキュラムデザイン」
です。
こども達は遊びながら学ぶということをすれば伸び伸びとやっていくでしょう。ただし当然のことながら自分に興味のある部分が中心となりますので、そこから外れたものについては手を付けず、結果として学ぶ内容に偏りが出る可能性が大きいのです。つまり偏りなく学びを行わせるためにはカリキュラムデザインがしっかりしていて、満遍なくさまざまなジャンルについて学べるように仕組む。もっというと学んだことから興味の向いていないところへの誘導をいかにうまくできるのかが教師の腕の見せ所になるわけで、討論型授業の実施どころではないファシリテーション能力が求められます。
もっと言うと、学んだ内容が社会とどの様に繋がっているのか、楽しさだけで終わるのではなく、社会問題の解決に向けることができるのかが重要です。 まぁ、この本はアイデアとして読む分には楽しい内容ですし良いのですが、これですべてだと思い込んでしまうとちょっとマズイ気もします。
「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」
今日の我が家本紹介はこれです。
「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」 伊東公一郎著、光文社刊
実際の所、AIを使いこなそうと思えば、データ分析の方法の基礎くらいは分かっていないと話になりません。というわけで、入門編と言うにはちょっと難しいかも知れませんが、こちらを紹介です。
ランダム化比較試験(RCT)から始まり、「自然実験」の手法、データ分析の不完全性や限界など、何ができて何ができないのか、因果関係をデータから読み取るにはどうすれば良いのかというところを教えてくれます。基本的なデータ分析力は身につくと思いますので、データサイエンティストを目指す人はもちろん、そこまでではない人も、エッセンスを知っておくに越したことはありません。
