今日の我が家本紹介はこれです。
「天の川銀河の地図をえがく」 郷田直輝著、旬報社刊
購入したんだったか、いただいたんだったかはちょっと分からないのですが、VERA計画についての話をまとめた本です。
天文衛星ヒッパルコスが恒星の位置データを精度良く決めたあたりから、銀河系内の地図作りが本格化しました。それまでは年周視差でしか測れない恒星は、遠方になればなるほど精度が悪くなっていたのですが、引っ張る腰がそれを覆したわけです。
ちなみにヒッパルコスのデータはプラネタリウムのメガスターにも利用されています。
それはさておき…
とにかく変光星ではない普通の恒星までの距離を求めるには、原則として年周視差しかありません。これが星団であればHR図を使う方法など、幾つか手があるのですが、単独星だとこの方法一択。その精度をどうやって上げていくのかなど、VERA計画ではいろいろと試されたわけですよ。その辺を知りたい方は是非。
そうそう、著者の郷田氏は、私が大阪大学の大学院生だったとき、つまり池内氏に指導教官をお願いしていた際に、助教授だった人です。