遂に最終巻です。
「サイボーグ009 conclusion GOD'S WAR」
石ノ森章太郎原作
小野寺丈著
角川書店刊
「天使編」「神々との戦い編」と、未完になっていた物語が2つありました。原作者の石ノ森章太郎氏は、死の間際までこれら未完になってしまっていた作品をまとめ上げ、009のストーリーに決着を付けたいと考えていたそうです。
残念ながら、未完の原稿、アイデアノート、数多くのメモだけを残し、氏は亡くなってしまいました。
その原稿を引き継ぎ、氏の構想通り、まずは小説という形で、最後の闘いが執筆され、そして遂に全3巻で完結を迎えました。内容はネタバレになりますのであえて書きませんが、なるほど、こういう形で未完の2作品を取り込み、「神と戦う」という大変苦しい物語に決着を付けましたか。
大抵、「神と戦う」とか「神」を扱った作品は尻切れトンボだったり、夢オチで終わらせたりと、ろくでもない作品が多かったのですよ、これまでは。唯一「上手くまとめたなぁ」と思っていたのがエヴァンゲリオン。ちなみにテレビ版ではなく、映画版ね。あの結末は、私としてはある程度納得できるものでした。
今回のこの作品も、まぁ、ご都合主義的なところがあったり、ちょっと甘いかな?と思うところもありますが、全体としては大変面白い結末になったと言うべきでしょう。ちょっぴり仮面ライダーやキカイダーのエッセンスが入っているあたり、著者は変わっても、やっぱり石ノ森章太郎の作品なんだなぁと思わされました。
中身が気になる方は、是非読んでみられてはいかがでしょうか?
