「グリフォンズ・ガーデン」

今日の我が家本紹介はこれです。

「グリフォンズ・ガーデン」 早瀬耕著、早川書房刊

もともとは1992年に出版された書籍を2018年に文庫化したものです。AI(人工知能)研究に関する話ですが、研究自体は当時のエキスパートシステムの話があちこちに散りばめられています。

とはいえ、重要なのはバイオ素子を使用することで高速処理を可能としているという点。たぶん今だと量子コンピューターになるんでしょうね。それを使って世界をシミュレーションするという辺りから話は進んで行くのですが、リアルの世界とシミュレートされた世界を交互に描きながら話が進んで行きます。そして冒頭とラストでそれが交差します。うん、これ以上は読んでもらった方が早いかな。いわゆる平行世界物に似たテイストなのに、それとはまったく異なるテイストを醸し出している辺りが面白いですね。

コンピュータ用語に疎いとちょっとしんどいところが出てくるかも知れませんが、基本的には読みやすい内容です。