「日本の天文学の百年」

今日の我が家本紹介はこれです。

「日本の天文学の百年」 日本天文学会百年史編纂委員会編、恒星社厚生閣刊

こういうのが重要なんですよ。なにしろ、天文学や科学の最先端は新しい情報でどんどん塗り替えられていきますので、過去に辿った(誤った or 棄却された)道が残らなくなってしまうのです。これ、後々、新しいアイデアを考えたときに
「それって昔、○○の理由で却下されたんだよね」
というのを上の人から教えてもらうまで知ることができなくなるんですよ。

「科学史に残る大論争」
みたいなやつはちゃんと残るんですけど、そうじゃないものは丁寧に論文を追いかけない限り、さっぱりわからないという。それこそ昔々、NHKの「パノラマ太陽系」という番組で紹介された
「金星には石油の海があるという説が…」
というのも
「誰だ、そんなことを言ってたヤツは?!」
状態でした。10年ほど前に譲っていただいた本がきっかけで言い出しっぺが分かりましたが、それまでは結構謎だったんですよね。

なので、こういう本を作るときはできるだけ丁寧に作って欲しいなと思うわけです。まぁ…これはこれでそれなりに。