「重力レンズでさぐる宇宙」

今日の我が家本紹介はこれです。

「重力レンズでさぐる宇宙」 福江純、山田竜也著、岩波書店刊

こっちは昨日のとは違って、黒歴史じゃないほうの本。人生初の商業出版物ですよ。
それまで大阪市立科学館の会誌である「うちゅう」に寄稿していた原稿を基に、それを10倍以上にふくらませて書きました。その後、(元)指導教官だった福江氏が書き足し、さらにそれを私が修正するという形で完成した本です。

もともとは福江氏の所に「降着円盤に関する本」の話がやって来て、
「違うものが書きたい。教え子に重力レンズやってるのがいるから、共著でも良い?」
というところからスタートした本です。
1996年の5月くらい?に話が来て、1997年2月に出版。うん、普通の本はこれくらいのペースだよね。いや、これでも1年かかってないから速かったらしいけど。

というわけで、私のメイン研究分野の本です。当時、日本語で書かれた重力レンズのみを扱った本としては唯一のものでした。今でこそ海外著者のものを翻訳した本が1冊…いや、もう1冊あったかな…は出てますが、初期の研究を紹介しているものはないんじゃないかな。

そうだなぁ…最近の知見を加えて再構成したいなぁ…重力レンズ関連では
「ダークマターの分布予測」
「ブラックホールの撮影」
という大きな成果もありましたしね。