ようやく読了です。
「音に色が見える世界 『共感覚』とは何か」
岩崎純一著
PHP研究所刊
共感覚者が書いた
「自分が世界をどのように感じているか」
「日本人は明治以降、共感覚的なものを失ったのではないか」
という感じの内容です。んー、ちょっとわかりづらい。というのも、著者の主観でしかものが語られていないため、
「あなたはそうかもしれないけど」
という注釈がどうしても付いてしまいかねない内容になってしまっています。
著者が大変苦労していろいろと研究しているのは分かるのですが、それならば知り合ったという共感覚者は自分と比較してどうなのか? をもっと書いて欲しかったです。事例が本人だけなので、非共感覚者としてはというか、非共感覚者で理系の私としては、
「だから、あなたはそうかもしれないけど、それは共感覚者全員の意見ではないし、少なくともあなたの知っている共感覚者の意見や世界の認識を代表しているわけでもないでしょ」
と言いたくなってしまいます。
とはいえ、私も別に共感覚者を否定するわけではなく、むしろどのように見えているのかをもっと詳しく知りたいわけです。特に「CONTACT Japan」のメンバーとして、共感覚的な世界認識をしている異星人がいた場合、コンタクト上どのような問題点があるかを検証したいわけです。それなのに1冊の本を通じて事例が一人分だけだと、データにもならないんですよ。その設定が妥当なのかどうなのかすらわからないのですから。
ま、どちらかというと「文系の立場からの内容」だと言っているわけですから、仕方ないのかもしれませんけどね。