「黄泉びと知らず」&「この胸いっぱいの愛を」

着々と読み終わっております。

「黄泉びと知らず」
 梶尾真治著
 新潮社刊

映画化された「黄泉がえり」のアナザーストーリーである「黄泉びとしらず」が収められた短編集です。「黄泉びと知らず」と「接続された女」以外は、結構シュール系のネタだらけの作品集になっています。
これを読んで「黄泉がえり」がふと頭に浮かびました。あれは死んだ個人が蘇ってくる話でしたが、もういない人と会えるのって、ある意味タイムスチップに似た展開ですよね。タイムスリップの方は別の時間に行くことによって死んだ人と会えるわけですが、黄泉がえりの方は、向こうが現実の世界にタイムスリップしてきた、みたいな感じでしょうか?
そう考えると、梶尾氏の作品って、ホント、そういう系のが多いんだなぁ・・・と感心します。

「この胸いっぱいの愛を」
 梶尾真治著
 小学館刊

そしてもう一冊。こちらは映画が先にあって、それをノベライズしたんだそうですが、やはりタイムトラベルネタと言って良いでしょう。
「クロノス・ジョウンター」という機械によって、数人がある時代に飛ばされ、そこでやり残した想いを遂げると引き戻される、という設定です。この「引き戻される」ってのは「クロノス・ジョウンターの伝説」の設定に似てもいますが、あちらは巨大な機械だったのに対し、こちらは手のひらに載る程度の小さな装置として描かれています。

いずれにせよ、ネタバラシをするつもりはありませんので、ご興味のある方はご一読ください。