今日の我が家本紹介はこれです。
「プラネタリウムの外側」 早瀬耕著、早川書房刊
昨日紹介した「グリフォンズ・ガーデン」の続編みたいな位置付けです。とはいえ、リアルでも作品内部でも20年以上の時間が経っていますので、純粋な続編というわけでもないのですけどね。
そしてプラネタリウムは出て来ません。会話の中で
「図書館とプラネタリウムとどっちだった?」
があるだけ。小さい頃に行った施設で、どっちに先に連れて行かれたかという話ででてきただけ。
グリフォンズ・ガーデンで出て来た有機素子コンピュータが払い下げられ、それを使って世界のシミュレーションを研究をしている研究者が、シミュレーションに登場する女性の左手薬指に包帯を巻いたのは良いけれど、それがほどけたときの状態を設定していないという事に気がつき…という話です。いや、それだけじゃないんだけど、でもそういう話。
こういうシミュレーションをする時、見えない部分を設定しないというのは良くある話です。または見ていない部分はレンダリングをサボってしまうとかね。この手の話はVRでもあって、確かソードアート・オンラインでは演算負荷を下げるためにユーザーが見ていない範囲はレンダリングしない、または視野の端はレンダリングの解像度を落とすという処理をしているという話があったように記憶しています。
そもそも人間だって視界の中心は解像度が高いのですが、視野の端は動く物については敏感に反応するものの解像度はそう高くないというのはよく知られた話です。
逆に見えないところまで細かく設定するのは大変だけど、それをきっちりとやっていると好感が持てるというのは事実かなぁ。