今日の我が家本紹介はこれです。
「ライフロング・キンダーガーデン」 ミッチェル・レズニック著、村井裕実子訳、日経BP社刊
今日、STEAMの研修というかセミナーというかがありまして、そこで軽く触れられていたのが
「Lifelong Kindergarden(生涯幼稚園)」
です。これ、創造的思考力を育むための教育に関連するものです。著者はMITの人間ですので、想像力の育成や発想力の育成にScratchの話が多用されるのは仕方が無いことです。
で、この教育は大きく4つのキーワードからなっています。
プロジェクト(Project)
情熱(Passion)
仲間(Peers)
遊び(Play)
これら4つのPを通じて、プロジェクトベースで、楽しいことを仲間と共有し、遊びながら学ぶことで創造的思考力を身につけようというものです。
ただし個人的には一つ問題があると思っています。それは
「カリキュラムデザイン」
です。
こども達は遊びながら学ぶということをすれば伸び伸びとやっていくでしょう。ただし当然のことながら自分に興味のある部分が中心となりますので、そこから外れたものについては手を付けず、結果として学ぶ内容に偏りが出る可能性が大きいのです。つまり偏りなく学びを行わせるためにはカリキュラムデザインがしっかりしていて、満遍なくさまざまなジャンルについて学べるように仕組む。もっというと学んだことから興味の向いていないところへの誘導をいかにうまくできるのかが教師の腕の見せ所になるわけで、討論型授業の実施どころではないファシリテーション能力が求められます。
もっと言うと、学んだ内容が社会とどの様に繋がっているのか、楽しさだけで終わるのではなく、社会問題の解決に向けることができるのかが重要です。 まぁ、この本はアイデアとして読む分には楽しい内容ですし良いのですが、これですべてだと思い込んでしまうとちょっとマズイ気もします。