今日の我が家本紹介はこれです。
「翠星のガルガンティア」 オケアノス原作、三途川ワタル著、KADOKAWA刊
アニメのコミカライズです。しかし、この作品は非常に良い!6月5日に「彼方のアストラ」を紹介しましたが、あちらともちょっとだけ繋がる話があります。それは、「地球が寒冷化し、住めなくなったらどうするのか?」というテーマです。
「彼方のアストラ」では全人類が協力して脱出するわけですが、こちらは異なります。寒冷化への対応方針として、地球から出ていくという選択をしたわけですが、片方は技術文明を高度化して宇宙に出て行こうとするのに対し、もう片方のグループは宇宙空間でも生きていられるように人間そのものを遺伝子改造するという「人工進化」を選びます。
双方はお互いの主張を受け入れず、戦争になり、宇宙でもその戦いを続けているというのが、物語の背景にあります。
そして一つ面白いのは、「人間とは何か?」を問うている点です。怪物だと思っていた相手が、実は人工進化した人間だったと知ったときに、主人公をサポートするAIは
「人間とは文明を発達させ、その脆弱な体を環境から守ってきた。その創意工夫が人間の人間立つ所以である。一方、相手は文明を捨て、生物として環境変化に対応した。そこにはもはや新たな創意工夫も生まれない。なので、あれは人間ではない」
という趣旨の発言をします。文明を持つものが人間であるという観点は大変面白いものですが、その定義で本当に良いのか、これはいろいろと議論できそうなネタだと思いませんか?