「ヴィンランド・サガ」

今日の我が家本紹介はこれです。

「ヴィンランド・サガ」 幸村誠著 講談社刊

そろそろこれを紹介しないと。ということで、ヴィンランド・サガです。これ、実在した人物が出てきます。第1巻から出てくるのがレイフ・エリクソン。歴史上でもヴィンランドの発見者とされている人物です。
当時、北ヨーロッパのヴァイキングの一派は、アイスランド、グリーンランドを経由してアメリカ大陸に渡っていました。実際にニューヨーク付近まで進出していたようで、ヴァイキング遺跡が出て来ます。このアメリカ大陸のことを「ヴィンランド」と呼んでいます。

もう一人はクヌート。ヨーロッパ大陸北部とイングランドにまたがる北海帝国を築いたデンマーク王です。まぁ、本物のクヌートがこんな人物だったのかどうかはともかく、父親のスヴェンと共にイングランドにデーン王朝を打ち立てた人物です。この北海帝国はクヌートの死後に崩壊してしまいますが、中世においてデンマークが強国として君臨する礎となります。近世にプロイセンに敗れてどん底に落ち、そこから今のデンマークが形作られるわけですが、もしかしたら北海帝国を発端とする強国デンマークのイメージが近代までデンマーク人の意識を縛ったのかも知れませんね。