「妖精作戦」

「7日間ブックカバーチャレンジ」

遂に最終日です。
最後は、私が物書きを始めるきっかけとなった本を紹介します。

【第7日目】
「妖精作戦」シリーズ 笹本祐一著、1984~1985年 朝日ソノラマ刊

小学校6年の時に授業で「公害」について調べて発表するというものがありました。実は翌年、中学校1年でも同様の授業があり、既にいろいろな公害を調べていたため、何かネタがないかを探しました。その年、枯れ葉剤の影響で下半身が繋がった結合双生児として生まれたベトちゃん、ドクちゃんの話を知ったこともあり、ベトナム戦争と枯れ葉剤について調べたのです。

私にとっては衝撃的な内容で、それまでは「アメリカ軍かっこいい!」と思っていたのが、一気に冷めました。むしろ
「なんでこんなひどいことが出来るのか?」
と思うようになり、歴史好きのために世界史を学ぶにつれ、
「人類に存在する価値はあるのか?」
と考えるようになりました。中学生っぽいですね(苦笑)。

高校の時にはアメリカのレーガン大統領と、日本の中曽根首相が「ロン・ヤス」と呼び合う仲となり、「日本は不沈空母」という発言まで飛び出す始末。テレビでは「核の冬」についての特集番組が、今の「地震などの大災害が起きたらどうなるか」と同じくらいの頻度で放送されていましたので、より一層、人類というか、各国の政府に対して幻滅していきました。

そんな時に読んだのがこの「妖精作戦」です。特に3巻「カーニバル・ナイト」と4巻「ラスト・レター」の流れと結果は私には受け入れられず、1週間くらい気分が暗いままだったのを覚えています。

そして思いました。
「このままではダメだ。大学に入ったら文章を書いて、多くの人に読んでもらうという活動を始めよう」

大学では講義に出ると同時に文章を書き始めましたが、自分の書く文章の、あまりのダメさ加減を思い知らされました。そこで中学・高校の国語の教科書とノートを取り出し、6年分を約2年かけて再度勉強し直しました。今、それなりの文章が書けているのは、当時、必死になって勉強したのが活きていると自負しています。