「文明の衝突」

「7日間ブックカバーチャレンジ」

昨日は古代の北欧文化にもちょっとフォーカスしてみました。今日は「文化」とか
「文明」についての話です。

【第5日目】
「文明の衝突」 サミュエル・ハンチントン著、鈴木主税訳、1998年 集英社刊

あ、思ったより新しかった。てっきり1990年代前半の本だと思ってたのに。

この本で言うところの「文明」というのは「文化+イデオロギー」をベースにしたものだと捉えるべきでしょう。実際、P24~29はそのようなイメージで考えた方がわかりやすいです。

この書籍では西洋・北米文明圏、ラテンアメリカ文明圏、東方正教会文明圏、
イスラム文明圏、仏教文明圏、儒教文明圏などに区分けされています。ちなみに
日本は単独で日本文明圏です。
この本を読んだおかげで、どこの国がどこと繋がりやすいのか、どこと手を組む
だろうか、みたいなことがよく見えるようになりました。ですので、韓国が
中国の方を向いているのも、同じ儒教文明圏ということで納得しています。

ただ、当時と変化してきているのはEUが拡大し、東方正教会文明圏の一部が
西欧文明圏にとくっついたことでしょうか。でもEUの中で微妙に両者には微妙な距離があり…というのも、同じキリスト教でもカトリック・プロテスタントと
東方正教会では教義が微妙に違うために、文化的にすれ違う部分があるからなのかも知れません。

もちろん歴史的な背景も追いかけられていますし、よく考察された本であると
今でも思っています。実際、私が日本を含め世界の国々を見るときの視点は
間違いなくこの本から得られた知見が基になっています。

そうそう、こういう全体的な歴史を俯瞰する本としては、次のようなモノもあります。
「人類5000年史I~III」 出口治明著、筑摩書房刊

こちらも面白いので、是非。