妖精作戦シリーズ読了

私のもう一つの原点とも言える作品を読み終えました。全4冊です。

初めてこの作品を読んだのは、4冊目が出版されて1年ほど経ったタイミングで読みました。忘れもしない高校3年生の夏休みです。

1巻、2巻を読んだときは「楽しい作品だなぁ」程度の感想を持っていたのですが、3~4巻で大きく評価が変わりました。当時は中曽根氏が

「日本は不沈空母」

という発言を行ったりと、いわゆる冷戦状態。いつアメリカとソ連の核戦争が始まるか分からない状態でした。テレビでは時々、

「もし核戦争が勃発したら」

というシミュレーション番組が放送されていました。今は首都直下型地震が発生したらという番組が時々放送されていますが、まさにそれと同じ様な感じで全面核戦争を想定した番組が放送されていました。

「核の冬」

という言葉がリアルに語られ、

「なんで同じ人間同士、こんなにいがみ合うんだろう?」

と多感な高校生だった私は思い悩んでいた…そんな時代だったのです。

そんな時に、この作品では

「こんなやばい連中は地球に閉じ込めておくべきだ」

とでも思ったのでしょう。宇宙人が攻めてきていて、世界各国は密かにそれと戦う組織が宇宙で戦争をしている、という設定でした。主人公達はタダの高校生で、事情があってそれに巻き込まれていくわけですが、その防衛組織の幹部に語った台詞がいまでも忘れられません。

「勝手にやってろ、この大馬鹿野郎!」

まさに、地球上でも冷戦、宇宙でも戦争ともなれば、そんなことも言いたくなるでしょう。私もそうでした。で、4巻で一人の女の子が死んでしまいます。その後、主人公クラスの別の女の子も、そんな世界に絶望して…と、楽しい冒険活劇だったはずの作品は、大変重苦しいエンディングを迎えたのです。

読み終えたとき、

「何故、彼女は死ななければならなかったのか?」

という言葉がずーっと、頭の中から離れませんでした。約1週間、ものすごくブルーな気持ちになったのを今でも覚えています。と同時に、

「このままではいけない。何かやらなくては。大学に入ったら、何か物を書くなり、自分の考えを伝える活動を行おう」

と思ったのです。そしてこの気持ちを忘れないように、自分のペンネームはこの時に亡くなった女の子「和紗結希」から名字をいただきました。

もし高校3年生の夏休みというあのタイミングでこの作品に出逢わなければ、きっと文章を書く練習もしなかったでしょうし、物を伝える活動も行っていなかったでしょう。そういう意味では、私を天文学や宇宙開発の世界に引きずり込んだ「宇宙戦艦ヤマト」と並んで、人生を変えた作品です。この作品と出逢わなければ、今の私はここにはいなかったでしょう。

 

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