ちょっと古い本なのですが、最近ブックオフで手に入れましたので…
「ニコチアナ」
川端裕人著
角川書店刊
テーマは「タバコ」です。小説なのですが、「タバコ」というものをありとあらゆる角度から見ています。
まずはタバコ産業、そしてニコチン依存症、禁煙・嫌煙運動。
次に文化としてのタバコ。もともとはネイティブアメリカンの慣習で、神と繋がるときに使っていたものであった時代から、葉たばこ、水タバコ、葉巻という愛好家が嗜好品としていたタバコ。そこから手軽さを求めてシガレットという依存症の原因となった消費物としてのタバコへの歴史的変遷。
さらには植物としてのナス科タバコ属。タバコ属の種類やナス科の中での位置付け、そして葉の中に蓄えられるニコチンや、後で合成されるノルニコチンといった化学的な要素に、タバコモザイクウィルスや先祖返り等といった遺伝子工学系の話まで。
まさに
「タバコとは」
を敷き詰めまくった一冊です。
もちろんそれ以外にもいろんな仕掛けがなされていて、物語としても大変面白い一冊に仕上がっています。
私はタバコを吸いませんが、タバコ好きの方も、タバコが嫌いな方も、是非読んで欲しい一冊です。
今日の歩数:12,714歩(11月合計:390,298歩)
今日の体重:68.1kg