「悩む力」

大変面白かったです。

「悩む力」
 姜尚中著
 集英社刊

マックス・ウェーバーの著作と、夏目漱石の小説を引き合いに出しながら、「自我と如何に向き合っていくのか」「個人の時代とはどのような時代なのか」などを読み解いていく本書は、自分の今置かれている立場と照らし合わせながら読んでいくと、大変共感するところの多い内容でした。

特に高校~大学にかけて、いろいろと悩むことの多かった私は、著者が悩んだと告白しているものに共感できるところがいくつかあり、

「そうそう、私もそうだった」

などと思いながら読むことが出来ました。しかし、ウェーバーはまったく手を付けたことがないのですが、漱石はいろんな小説を読んでいるはずですが、そのように捉えて読んだことは無かったように思えます。著者は日本人に向けてわかりやすくなるようにことあるごとに漱石のいろんな小説とその登場人物、そして内容を引き合いに出しながら解説を進めて行っています。もう一度漱石の小説を読み直してみたくなる内容でもあります。

いずれにせよ、この本と前に紹介した「テレビは見てはいけない」の2冊のおかげで、ちょっと開き直れた感じがします。ま、人生、やってみなけりゃわからんということですね。うじうじ悩んでも仕方がない、と。