「せちやん」

今更ですが・・・

「せちやん」
 川端裕人著
 講談社刊

「夏のロケット」の著者が書いた本ですが、「SETI」はキーワードにこそなっているものの、別に天文系の話でも何でもありません。主人公の中学時代から40歳くらいまでの人生を描いた作品です。
結構懐かしさを感じさせてくれるのが、マイコンからパソコンに名称が変わったころのコンピューター業界の描写、バブル全盛期の金融界の様子、そしてその後のインターネットの隆盛などでしょうか。1980年代後半に社会人になった主人公は、その波に上手く乗り、そしてやがて没落して隠遁生活に入っていくわけです。
ここまでドラマチックな人生はなかなかないと思います。まぁ小説ですしね。