J・P・ホーガンの「揺籃の星」に続く作品です。
「黎明の星」
ジェイムズ・P・ホーガン著
内田昌之訳
早川書房刊
前作ではヴェリコフスキーの「衝突する宇宙」という疑似科学本を元ネタにし、ホーガンらしい味付けをした作品に仕上がっていましたが、今回は「揺籃の星」で壊滅してしまった地球に、土星のコロニー社会から再移民を行うという内容になっています。その際に地球上にも全ての文明の痕跡は消え去ってしまったとはいえ、何とか生き残った人々が数百人単位で見つかり、彼らを巻き込んで行くことになります。
そしてホーガンらしい文明論や複線は健在で、3部作と宣言されているとおり、次回に繋がるんだろうなぁという理論ネタなどが随所にちりばめられ、それでいてここで完結してしまっても片手落ちにはならない完成度を誇っています。うまいよなぁ、ホーガン・・・