10年ほど前の本なのですが、中古で買ったもので・・・しかも現在でも十分通用する内容ですね。
「民族世界地図」
浅井信雄著
新潮文庫刊
「民族とは何か?」を切り口に、世界各地で起こっている民族紛争や問題を4~5ページずつで端的に紹介しています。
民族問題は歴史に根を持っていたり、宗教や言語と不可分だったりと、様々な要素があり、
「民族を定義することは出来ない」
という著者の意見には思わず納得です。ま、日本だって少なくとも大和系、アイヌ系、琉球系の3民族から成る国家なのですが、本土と沖縄、そして国外でのとらえ方は千差万別ですものね。我々は普段気にしていませんが、日本内部にだってちゃんと少数民族問題があるはずなんですがねぇ・・・
しかし、民族問題の話を聞くたびに思います。KOKIAの歌う「Remember the kiss」にも
言葉や文化 肌の色が 信じるものが違っても
赤ん坊の泣き声は 世界中同じなのに
とあるように、言葉も文化も宗教も、全て生まれた後の後知恵なのに、理性は感情を凌駕できないんだなぁ、人間って・・・